珠吉日記

日々の戯れ言やら写メをUPしていくサイト。

ヤンデレは好きだが、刃傷沙汰は嫌い。

 ヤンデレが好きならこれがおすすめ、と言って、いくつかの作品を紹介しているサイトがあった。
 見てみると、何かしら刃傷沙汰が起きる作品ばかり。
 それでいいのか?そのおすすめの中になぜSHUFFLEがない。など、不思議に思っていた。
 
 他の意見でも聞くのだが、ヤンデレ=刃傷沙汰付加のようになっている気がする。

 ヤンデレの思考回路としちゃ間違ってはいない。
 でもしっくり来ない。何故だろう。そんな事を、あくまで極一個人の見解だと前置きした上で、うだうだ考えてみる。
 
1.俺が刃傷沙汰が苦手だからか。
 無関係ではない、のだろうか。
 刃傷沙汰がなくてもヤンデレヤンデレだと思っている。
 成立しなくてもいいなら血は見ない方がいいと感じている。
 
2.刃傷沙汰に走る愛は深い愛ではないのではないか
 以前友人に、こう話したことがある。
 ヤンデレ萌えとは、「ヒロインが愛情によって精神を自ら汚していく、または望まなくとも押し切られる」というのを楽しむ、趣味の悪い萌えだと。
 汚すなら綺麗なもののほうがよりエロスであると誰かが言っていたのを思い出す。自分も全く同意見だと思う。
 黒く染めるなら、より白い生地のほうが染がいがある、という感覚だろうか。
 綺麗過ぎると、それはまた別の萌えを見いだすのだが、それはまた別の話として。
 ヤンデレに関しても同じだと思う。
 
 より善人だったり、素直だったり相手を思いやったりする、そういった、より白い性格だからこそ、黒く染まっていく時の葛藤や暗い感情が美しいと言うか。
 そんな、元は理想のような性格のヒロインが、最後になったとしても刃傷沙汰を起こすだろうか。そこに疑問を感じる。
 相手を刺すぐらいなら自分を刺すほうがヤンデレとしてはより美しいと感じる。
 または度胸がなく、最後の最後までどうにもならず、ついに発狂して暴れた末に結局自殺というのがベストだろうか。
 しかし自殺というのも、やや展開としては古臭いかもしれない。
 何らかの気持ちの整理をつけて、ヤンデレから立ち直るというほうが話的にも気持ちいい終わりかもしれない。
 
3.刃傷沙汰は安易な逃げではないのか。
 上記2より、刃傷沙汰に至ったヒロインは、すでにそこから解脱している。
 カッとなって手に持っていた刃物で…という展開はありえるとは思うが、巷の刃傷沙汰を伴なうヤンデレはそうではない。ともすれば、相手を殺傷することに、本心では罪悪感を感じていないのではないかと感じてしまう。
 殺傷に罪悪感を感じない性格は果たして白いだろうか。
 
 また、良識を持った人であれば、耐えきれなくなったからと言って、そこで刃傷沙汰に至ったりはしないのではないか。それがどんなに汚れた感情を心に溜めていたとしても。
 
4.刃傷沙汰という展開がファンタジー過ぎる
 現実味がなさすぎて萌えから離れてしまっている、ということかもしれない。
 主人公に近寄る悪いヤツをぶっ殺す、という展開があったとして、現代のヒロインがそれをやるとヤンデレになるかもしれない。しかし中世ファンタジーじゃ別に気にならない、またはヤンデレとして認識しづらくなる。
 
 リアルヤンデレは別の話というぐらい怖いと思うけど、ファンタジーも過ぎたらヤンデレじゃなくなってしまうのではないか。
 幻想から現実に足をすこし突っ込んでしまっているような、やってはいけない禁忌みたいな設定がヤンデレなんだと思う。
 
5.ヤンデレはヤンでデレてんのがいいのであって刃傷沙汰は関係ない
 やっぱり関係ないよなぁ。
 また、刃傷沙汰起こしてこれからもやっていく、というキャラはヤンデレというより殺人狂ではないか。
 それはそれでイイとは思う。殺人衝動を抑えて生活するヒロインとか、萌える!とは思うけれどデレではないのではないか。
 
 
PS:このエントリを書いている途中で、理想の女性とはなんだろうかという疑問にぶつかった。
 ヒロインの性格の白い部分はどのようなものかについて、自分にとっては清楚で優しく、良識がある、というモノだった。
 これが、より年少のような、無邪気で善悪もよくわかっていない、という性格だったとしたなら、刃傷沙汰に抵抗がなくても不思議ではない、そして白いものが黒く染まるカタルシスも得られるという意味で、それは確かに別のヤンデレとして存在し得るのかもと気付かされた。
 
…いや…それは「病んで」はいないよなぁ…
 
 好みと言うのは深い。